枚岡教会創立 56年記念 特別伝道集会        2006年7月23日

            「永遠の慰めと希望 ――現代のスピリチュアルケア――
                                      窪寺俊之先生             報告:伊達山正人

 

 「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」

                                                                                          マタイ44節。

 今、ほとんどの方は病院で亡くなる。お医者さんはいるし、優しい看護婦さんはいるし最高?
 ・・・そうでもない。病院に入ったら、どんなお仕事で、どんなに尊敬されていたか全然関係ない。
タダのおじいちゃん、タダの患者さん。「おじいちゃん、ちゃんとオシッコ出ましたか?」 
 人格を否定されたような気がする。病院に行きたいか? 昔は家で見取られたが・・・死について
どう考えるかということが問われている。

 「死――ガン」一番関係が深い。27%の方がガンで亡くなっている。ガンに来てほしいと思って
いる人はいない。クリスチャンは、(神は)良きものだけを与えてくださる。ガンは向こうへ行くと
思っている。ガンだと判ると青天の霹靂。

 王監督は胃ガンでも切らなかった。医療は進歩している。しかし末期ガンになれば、手術、
抗ガン剤。治療できなければ延命。(痛みで)家族と話もできない。

 ホスピスは、1967年にイギリスで始まった。1982年に聖隷ホスピスができた。
 淀川キリスト教病院では1984年に始まった。現在日本で150ぐらいのホスピスがある。

 セント・クリストファーズ・ホスピス(イギリス)の取り組み。

 @ 肉体的な苦痛を取りましょう。ガンの痛み=疼痛を取りましょう。モルヒネで90%の痛みは
取れる。1985年ごろはトロントン(?)を3時間ごとに飲んでいた。その後点滴に。
今はパッチ(絆創膏)で3日ぐらいもつ。疼痛は緩和できる。

 A 精神的な苦痛を取りましょう。ガンの末期の患者さん。髪の毛がボソッと落ちる。
お見舞いの人が来ると、半分は喜んでいるんだけれど、会いたくない。精神的な支えが必要。

 B 社会的な苦痛を取りましょう。ホスピスではお子さんを見ることができる。親類がなくても、
犬を飼っていい。

 C 霊的な苦痛を取りましょう。人間は人生の危機になるとみんな霊的になる。霊性が覚醒する。
私の人生は何だったんだ?

       (1) 人生の意味。人生の意味を発見するために、苦しみを通して、神様と出会うためと思える
人ばかりではない。僕は救われたんですと言うことはできる。?んで握れるか?

       (2) 苦難の意味。サザエさんの意地悪ばあさんのような人が、早く死ねばいいのにピンピン
している。不条理。聞くだけの忍耐。聞くだけの愛。

       (3) 死後の生命の問題。 C罪責感の問題。聖隷などでは、チャプレンがお話を聞かせて
もらいながら、証をしていく。

 病床で「自分ひとりの人生を引き受けて生きるってしんどいですね。」といわれた婦人。
思い通りにならない人生。受け入れられるか? 自分をもてあましている自分。私は人生で抱え
きれない問題をあの人(神様)に何回も文句を言いましたよ。「あなたの責任だ」と。それに対して
「お前は愚か者だ」と言われたことはないです。「救い」は下からの「掬い」でもある(左近慈)。

 最後の最後に神を呪うかも知れない。それでも神はあなたを捨てない(椎名麟三)。
 徹底的に受け入れてくださる方がおられるので生きることができるのではないでしょうか?