「あなたたちを自由にする」10.09.12
 ヨハネ8:31〜38
 
「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、
真理はあなたたちを自由にする」と主イエスはおっしゃいました(31-32節)。
 「とどまる」というのは、ヨハネ福音書に出てくる大切な言葉の一つです。それは、ずっと関係が続き、
ぶどうの木と枝のようにずっと結びついている状態です(15章)。信仰生活は、イエスさまとそのように
継続して繋がっているものです。主イエスは、ご自分を信じたユダヤ人に対して「とどまるように」と
おっしゃいました。信じる事をやめてしまう、人の弱さをご存知だからでしょう。主イエスは、ご自分の
もとに居続けることを願われます。
 主イエスがおっしゃる「自由」とは何でしょうか。それは、何にも規制されずに自分が望む通りにする
ことではないでしょう。旧約の出エジプトの出来事は、イスラエルの民が自由になった出来事です。
彼らは、エジプトから脱出したから自由になったのではありません。エジプトの王に従うのでなく、自分に
従うのでもなく、神さまに従うことで自由となったのです。神の聖なる民として、神を愛し、神の戒めを守り
生きることで自由となりました。
 しばしば人は、罪に苦しみます。「罪の奴隷」となっています(34節、ローマ7:18-24)。この奴隷状態から
解放してくれるのは主イエスだけです。主イエスは、十字架から招いてくださいます。「罪の下でなく、あなた
の罪を取り除くこの十字架の下で生きたらよい」と。主の十字架の下で、罪赦され、罪の奴隷ではなく、
罪を拒んで主イエスに従う生き方が生まれます。
 主イエスによって自由にされた者は、父なる神の家(天国)にずっといる者にされます。「わたしの言葉を
守るなら、その人は決して死ぬことがない」(51節)と言われます。自分でなく他の何者でもなく、主イエスに
従うことで、真の自由を与えられた者は、罪と死から自由とされるからです。